MOSFETブリッジダイオード
18年6月追記:本記事の内容は追加の検討した結果、下記回路は諸々部品が足りないので素直にブリッジダイオード使う方が無難との結論に達しました。簡単に言えばダイオードとして使いたいのに逆流する瞬間が存在するのでブリッジダイオードより大幅にリップルが増えます。対策しようとするとディスクリートで組む気が起きない程度に大きい回路が必要なので勉強のためのお遊びにとどめておいた方が無難です。
LT4320があります。
秋月からこれを使った理想ブリッジダイオードも出ていますが
いかんせん高い。趣味の電子工作に使うには値段も合わせてオーバースペック感漂います。
欲しいのはせいぜい~±15V2Aぐらいを作れて、ダイオードブリッジの電圧ドロップが
0.6V×2から0.3V程度まで減って、ダイオードブリッジ組むのとお値段があまり変わらなければうれしいな。ぐらいのイメージです。
で、下記URLのIR DESIGN TIPSを見たときから応用すればブリッジダイオード組めそうだな~なんて頭の片隅で考えてました。
http://www.irf.com/technical-info/designtp/dt94-8.pdf
で、こんな回路組めば良いじゃんと最近気づいたのでメモ。真ん中部分のトランス相当のインダクタ三つと結合係数K1は適当。単に100V→12Vぐらいになるようにしただけ。
で、Sim結果はこちら。意図通りのブリッジダイオードになっていそう。
この結線ならNMOS, PMOSのvgs最大値はそれぞれvp,vn電位に制限される。よって、秋月あたりで入手しやすい耐圧50V,20AくらいのNMOS, PMOSのVGS絶対最大定格が±20Vなことを加味すると±12Vぐらいまでは難しい事を考えずに使える気がする。
ただ、当初もくろみよりもVDSが約0.7Vと大きめ。Ronが高すぎるのか、スパイク電流が大きすぎるのかは一度実機を組んで確認しておきたい。
この回路でダイオードドロップを0.3V程度まで下げられるなら、海外製の安いけど半端な電圧になりがちなAC115V入力トランスとか、真空管のヒーター直流点火回路に具合が良いはずなので期待したい。
LTspiceで陥った罠について
LTspiceのGUIは今ひとつ好きになれませんが、無料で回路規模制限なしで扱えるのはありがたいので便利使いしています。
電気回路を設計するメーカー勤めの人は
トランジスタの素子のモデルをメーカーからダウンロードしたりなどして、
LTspiceで利用する事は多いと思います。
そんな一員の私がはまった、落とし穴について備忘録。
LTspiceに各自が入手したモデルを追加する場合の手順はヘルプや個人ウェブサイト等に書いてありますが、何故かうまくいかない。
具体的には
C:\Program Files (x86)\LTC\LTspiceIV\lib\cmp
下にある
standard.bjtやstandard.jft
等に素子のSPICEモデルをテキストエディタで書き足しても、書き足したSPICEモデルが認識されない状況に陥りました。
テキストエディタで開く分には自分が書き足した内容は反映されています。
似たようなトラブルが無いか探しましたが、日本語資料は見つけられませんでした。
試行錯誤して、どうも会社PCのセキュリティ権限デフォルト設定が原因らしい事が分かりました。
C:\Program Files (x86)\
下に作られるファイルに対して一般ユーザーが書き換えた(standard.bjt等の)内容がアプリケーション側からは認識されず、一般ユーザーからは見えない同名ファイルをアプリケーション側で読み込んでいるようです。
セキリティ的には設定意図が分かる気もしますが、浪費した私の工数返せという気持ちになりました。
解決策はざっくり2つです。
1.「管理者として実行」でテキストエディタを起動してstandard.bjt等を書き換える。
2.C:\Program Files (x86)\LTC\LTspiceIV\lib\cmp下のファイル編集は諦めて別のフォルダに保存したSPICEモデルを読み込ませる。
個人的には、会社ではいつも同じPCでLTSPICE走らせる訳では無いのと、LTSPICEのSync Release時にstandard.bjt等が書き換えられても困るので2の方法をとっています。
シミュレーションしたい*.ascファイルと同じフォルダに使いたいSPICEモデルを書き込んだ*.libファイルを保存して.libで読ませています。
(例:abcdefg.libファイルを読ませる場合)
Edit Text on the Schematic: SPICE directiveで
.lib abcdefg.lib